25周年を迎えて
社会福祉法人「青葉仁会」は設立して25年が経ちました。過ぎ去った25年の中でできたこと、まだ志し半ばのもの、先の見えるもの、見えないもの等、四半世紀の節目に立って振り返れば、33年前にあります。その流れた時の記憶にとどまる喜びや悲しみ、そして多くの方々への感謝に万感に尽きない思いを感じずにおられません。
青葉仁会の障害者への支援事業は1986年、無認可の作業所である「自立支援事業所 ワークショップ青葉仁」から始まりました。その後、社会福祉法人として認可され、1992年に「入所授産施設あおはにの家」を建設。その間に、措置制度から支援費制度、自立支援法、障害者総合福祉法、社会福祉法人改革に継ぐ改革の年月を越えてこられたことは、ひとえに青葉仁会を支えてくださる人々の、心と力の一丸となったご支援の賜物と感謝申し上げます。
青葉仁会の理念は「幸福の平等」です。知的障害者にとって卒業後は、社会人として、地域社会に居場所を移すことではありませんでした。また、本来は、発達に遅れのある人達にこそ長く手厚い教育の期間が必要であるはずなのですが、旧養護学校を18歳で卒業した後の進学先はなく、社会人としての居場所も無いに等しく、唯一、進路と呼べる社会資源は、措置により障害者施設が担っていました。知的障害のある人達にとって発達は変化のプロセスであり、その発達は、学校教育の期間だけではとてもカバーしきれない、未知の潜在能力の可能性を秘めています。この発達の延長線上をしっかり辿っていくことで、障害があっても社会参加し、ひとりの人間として豊かになれる道筋を築いていけるのではと考えました。したがって卒業後は、社会的な生産活動に就くことにより、自らの体験を通して潜在能力を養い、その力を使って自分の思い描く生活を可能にする。そのことにより人生の主体者として生きることができれば、障害に関係なく尊厳ある自己として生きることが可能ではと思います。彼らを見ていると、生まれながら自らに尊厳を見い出す独特の力が備わっているのを感じます。青葉仁会は、彼らが社会のメインストリームにおいて活躍する。その様な場所や条件を社会に、そして利用者個々に合わせて環境整備していくことに取り組み続けています。その場所で地域の人達も共に幸せを感じることができれば、それが「幸福の平等」につなかり、青葉仁会にとって何よりの喜びとなります。
25周年の四半世紀の節目を迎えると同時に、次の半世紀に向けたスタートが始まります。青葉仁会の職員が一丸となって利用者の方々と「幸福の平等」に貢献していけることを願っています。またご協力頂く皆様には、これまでに変わりない叱咤激励とご支援をお願い申し上げます。
社会福祉法人 青葉仁会 理事長 榊原 典俊